退職の段取りで意外と抜けがちなのが「何を返して、何を受け取ればいいか」の整理です。退職日が近づいてから慌てて確認すると、返却物の郵送が遅れたり、必要な書類の請求を忘れたりしがちです。

この記事では、退職時に会社へ返すものと、会社から受け取るものをチェックリスト化し、あわせて2024年12月の健康保険証廃止(マイナ保険証への移行)で返却物の扱いがどう変わったかも整理します。制度が変わった直後は、まとめサイトの情報が古いままのことがあるので、最新の運用を確認しておきましょう。

先に結論

返す物の基本は「会社の持ち物・身分を証明する物」、受け取る物の基本は「次の手続きに必要な公的書類」です。健康保険証は、紙の保険証・資格確認書のどちらも返却対象ですが、マイナ保険証利用者に届く「資格情報のお知らせ」は返却不要で、本人が破棄して問題ありません。

受け取る物のうち離職票(失業保険に必須)と源泉徴収票(税務手続きに必須)は特に重要です。源泉徴収票は退職後1か月以内に交付する法律上の義務が会社にあります。離職票が期日を過ぎても届かない場合の動き方は離職票が届かないときの手順にまとめています。

書類の受け渡しと並行して、次の職場を決めておく(type転職エージェント)公式サイトへ →PR・面談は無料・首都圏・23〜35歳向け・応募はその場で決めなくてよい。条件は公式サイトでご確認ください

迷ったら、ツールで候補を絞れます

会社と直接やり取りしづらい状況なら、返却物・受取物のやり取りごと任せられる依頼先を絞り込めます。

会社へ返却するもの一覧

返却の基本ルールは「会社が費用を負担して用意した物、または会社の身分を証明する物」です。退職日までに、または退職後すみやかに返します。

チェックはこの端末のブラウザに保存されます(サーバーには送りません)。印刷時はナビや広告を省いて一覧だけを出します。

  1. 退職により資格を喪失するため、必ず返却します。詳細は次の章で解説します。

  2. 身分と入館権限を証明する物なので、退職日までに返却します。

  3. 会社の資産として扱われるため、未使用分も含めて処分せず返却するのが基本です。

  4. クリーニングしてから返すよう求められることもあります。就業規則を確認してください。

  5. データを私的に保存している場合は、退職前に必ずバックアップと削除の区別をつけておきます。社外への情報持ち出しは避けてください。

  6. 紙・データを問わず、業務で作成・取得した資料は原則として会社に帰属します。個人のメモと業務資料は分けて整理しておくと引き継ぎもスムーズです。

  7. 定期券を現物支給されている場合は返却または清算が必要です。雇用契約書は通常、本人控えは持ち帰って問題ありません。

引き継ぎ資料の作り方は退職の引き継ぎはどこまで必要かで詳しく解説しています。

健康保険証・マイナ保険証・資格確認書の扱い

2024年12月に健康保険証の新規発行が原則廃止され、マイナンバーカードを保険証として使う「マイナ保険証」に移行しました。この変化で、退職時の返却物にも次のような違いが出ています。

お持ちのもの退職時の扱い
紙の健康保険証(経過措置で有効期限内のもの)返却が必要
資格確認書(マイナ保険証を持たない人向け)有効期限内なら返却が必要
資格情報のお知らせ(マイナ保険証利用者向け)保険証そのものではないため返却不要。本人が破棄してよい
マイナンバーカード本体会社の貸与物ではないため返却対象外(本人の物)
⚠ 「マイナ保険証だから返す物はない」は誤解

マイナ保険証を使っていても、扶養家族の分の紙の保険証や資格確認書が別に発行されている場合があります。世帯で使っている保険証・資格確認書がないか、退職前に確認しておくと二度手間になりません。健康保険の資格喪失後は、家族の分も含めて新しい保険への切り替えが必要になるため、詳しくは退職後の手続きガイドを参照してください。

会社から受け取るもの一覧

受け取る物は、次の手続き(転職・失業保険・確定申告など)に直結する重要書類が中心です。もらい忘れると後の手続きが止まるので、退職前に「いつまでに送ってもらえるか」を確認しておくと安心です。

チェックはこの端末のブラウザに保存されます(サーバーには送りません)。印刷時はナビや広告を省いて一覧だけを出します。

受け取る書類主な用途交付の目安・根拠
失業保険の申請に必須 会社が退職日翌々日から10日以内にハローワークへ提出後、発行(雇用保険法施行規則7条)
年末調整・確定申告、転職先への提出 退職後1か月以内に会社が交付義務(所得税法226条)
転職先での雇用保険手続き 入社時に発行され会社が保管していることが多い。退職時に返却してもらう
国民年金・厚生年金の手続き 会社が保管していれば退職時に返却。基礎年金番号はマイナンバーとの紐づけで確認できることも多い
国民健康保険の加入手続き 請求すれば発行してもらえる。国保切り替え時に必要になることがある
転職先への提出、離職票が届く前の代替書類 本人が請求すれば会社に交付義務(労働基準法22条)

失業保険を受け取る条件や給付額の目安は退職後の手続き完全ガイドにまとめています。会社都合か自己都合かで受給開始のタイミングが変わる点は会社都合退職と自己都合退職の違いを参照してください。

転職先に提出する書類

受け取った書類のうち、次の会社に出すものは決まっています。入社日にそろっていないと、雇用保険の加入や年末調整が遅れます。

書類転職先で何に使うか用意の仕方
雇用保険被保険者証雇用保険の加入手続き(被保険者番号の引き継ぎ)前の会社から受け取る。手元にない場合はハローワークで再交付できる
源泉徴収票同じ年のうちに入社する場合の年末調整前の会社から退職後1か月以内に届く。翌年の入社なら自分の確定申告に使う
基礎年金番号(基礎年金番号通知書・年金手帳)厚生年金の加入手続き手元の書類で確認する。マイナンバーで代用できる会社もある
マイナンバー雇用保険・社会保険・税の手続きマイナンバーカード、または通知カードと本人確認書類
退職証明書提出を求められた場合のみ請求すれば前の会社に交付義務がある(労働基準法22条)
給与所得者異動届出書(住民税)住民税の特別徴収(給与天引き)を続ける場合前の会社が作成し、転職先へ引き継ぐ。空白期間があるなら納付書で払う

健康保険証・資格確認書は前の会社に返すもので、転職先には出しません。転職先の健康保険には入社時の手続きで新しく加入します。空白期間なく入社する人と、しばらく働かない人でやることが違う点は退職後の手続きと期限の一覧の冒頭に分けて書いています。

🔁 書類がそろう前に、次の職場を決めておく

上の表の書類は、次の会社が決まっていれば入社日にまとめて出せます。まだ決まっていないなら、返却と受け取りの整理と同じ期間で求人を見ておくと、空白期間を作らずに済みます。エージェントの面談は無料で、応募をその場で決める必要はありません。

まず無料の面談だけ受けてみる(type転職エージェント)首都圏・23〜35歳向け。応募はその場で決めなくてOK
転職エージェント6社の向き不向き
type転職エージェント首都圏(東京・千葉・神奈川・埼玉)の求人が中心。23〜35歳の面談が対象公式サイト
type女性の転職エージェント女性向け。産休・時短・職場環境の条件を前提に探せる公式サイト
猫の手AGENT20代・初めての転職向け公式サイト
Michinori for career何がしたいか決まっていない人向け。コーチング型で方向性の整理から公式サイト
MyVisionエージェントコンサル・IT・会計・製造・営業・建設の経験を活かすハイクラス転職向け。24〜39歳が対象公式サイト
ベストウィン営業職の経験者向け。東京の求人が中心で、大卒24〜32歳が対象公式サイト

※ 対象年齢・対応エリア・求人内容は各サービスの公式ページでご確認ください(type転職エージェントは東京・千葉・神奈川・埼玉の求人が中心です)。

社内融資・財形・社宅の精算

物と書類のほかに、お金の精算が残る人がいます。いずれも会社の規程で扱いが決まるので、退職を伝える前に規程を読んでおくと、最終給与の手取りが読めます。

いつまでに返す?いつ届く?タイミングの目安

退職日を基準にした、返却物・受取物のタイミングの目安です。

時期やること
退職日まで社員証・PC・制服など貸与品の返却、業務資料の整理
退職日〜数日以内健康保険証・資格確認書の返却(郵送の場合が多い)
退職後1か月以内源泉徴収票が届く(法律上の期限)
退職後2〜4週間程度が目安離職票が届く(ハローワーク経由のため会社によって差がある)

※期間は2026年9月時点の一般的な目安です。会社の事務処理スピードにより前後します。

返し忘れ・もらい忘れに気づいたら

退職後に返却物・受取物の漏れに気づくことは珍しくありません。慌てず次の対応をとってください。

返却物と受取物は、退職日の1〜2週間前にリストを紙またはメモアプリに書き出しておくと、当日の慌ただしさの中でも漏れを防げます。特に会社支給のPCやスマートフォンは、私物データの整理と合わせて余裕をもって準備してください。消してよいデータと残すべきデータの線引き、会社スマホに紐づいたSMS認証の付け替え方は退職時の会社PC・スマホのデータ整理で詳しく解説しています。

会社と直接やり取りしにくいとき

ハラスメントや体調不良が理由で、退職後も会社と直接連絡を取りたくないケースは少なくありません。労働組合が実施する退職代行なら、退職の意思表示だけでなく、貸与物の返却方法の調整や、離職票・源泉徴収票などの発行を確実に求める交渉まで任せられます。

📦 返却物・受取物のやり取りごと、会社と話さずに進める

労働組合が実施する退職代行なら、退職の連絡から貸与物の返却方法の調整、必要書類の発行依頼まで、あなたが会社と直接話さずに進められます。依頼した日から出社不要で、24時間受付です。

男の退職代行の公式サイト(2026年9月時点の画面)
画像出典: 男の退職代行公式サイト(2026年9月確認)
男の退職代行のサービス概要。労働組合が実施・18,800円から

※ 料金・対応範囲は各社公式サイトでご確認ください。8社の比較は比較一覧にあります。

よくある質問

マイナ保険証を使っている場合、健康保険証は返却不要ですか?
紙の健康保険証がまだ手元にある場合(有効期限内の経過措置分)や、資格確認書が発行されている場合は、いずれも会社を通じて保険者へ返却が必要です。マイナ保険証利用者に発行される「資格情報のお知らせ」は保険証そのものではないため、返却不要で本人が破棄して問題ありません。
離職票と源泉徴収票はいつ届きますか?
源泉徴収票は所得税法226条により退職後1か月以内に会社が交付する義務があります。離職票は会社が退職日の翌々日から10日以内にハローワークへ提出したのち発行されるため、手元に届くまで退職後2〜4週間程度かかるのが目安です。期限を過ぎても届かない場合は会社かハローワークに確認してください。
私物や貸与物を返し忘れたらどうなりますか?
多くの場合はまず会社から返却の連絡が来ます。悪意なく返し忘れただけであれば損害賠償などに発展することは通常考えにくいですが、社費で購入した高額な備品を長期間返却しない場合はトラブルに発展する可能性があるため、退職時に返却物リストを作って早めに郵送するのが安全です。

まとめ:退職前にリストを作ると郵送1往復で片づく

📚 参考情報・データの出典
  • 雇用保険法施行規則7条(離職証明書の提出期限)
  • 所得税法226条(源泉徴収票の交付義務)
  • 労働基準法22条(退職証明書)
  • 厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用」(資格確認書・資格情報のお知らせの位置づけ)
  • 各健康保険組合・協会けんぽの案内(2026年9月確認。運用は保険者により異なる場合があるため加入先へ確認を推奨)