退職代行を調べ始めると、9,800円から77,000円まで価格がバラバラで面食らいます。同じ「辞める手伝い」に見えるのに、なぜ8倍近い差があるのか。

答えは単純で、値段の差は「サービスの質」ではなく「法律上できることの範囲」の差だからです。ここを理解すると、自分がいくら払うべきかが3分で決まります。

先に結論

相場は民間15,000〜25,000円/労働組合24,000〜30,000円/弁護士27,500円〜+成功報酬

ほとんどの人の適正価格は労働組合型の24,000〜30,000円。ここを下回る価格は「交渉できない」か「追加請求あり」のどちらかである可能性が高く、安さは選ぶ理由になりません

迷ったら、ツールで候補を絞れます

料金だけでなく、その金額で「何をしてもらえるか」まで合わせて確認できます。

運営元別の料金相場(図解)

退職代行の料金相場グラフ。民間15,000〜25,000円、労働組合24,000〜30,000円、弁護士27,500円以上+成功報酬
労組型の価格帯が狭いのは、価格競争がすでに決着しているサインです

注目してほしいのは労働組合型の価格帯の狭さ。24,000〜30,000円の6,000円幅にほぼ全社が収まっています。これは市場が成熟し、適正価格が定まった状態です。この範囲内なら、どこを選んでも価格面での失敗はありません

なぜ価格差が生まれるのか

価格を決めているのは、作業量ではなく資格です。

運営元相場できること価格の理由
民間企業 1.5〜2.5万円 退職意思の伝達のみ 資格不要。電話1本の作業に対する価格
労働組合 2.4〜3万円 伝達+退職条件の交渉 団体交渉権を持つ組合の運営コスト・組合費を含む
弁護士 2.75万円〜 交渉+金銭請求+訴訟 有資格者の人件費。請求案件は成功報酬型

民間企業が交渉すると弁護士法72条の非弁行為にあたる恐れがあるため、安い業者は意図的に業務範囲を狭めているのです。安いのには合理的な理由がある——でも、その理由はあなたにとって不利益です。詳細は3類型の違いで解説しています。

安すぎる業者が危険な3つの理由

1. 交渉できないので、目的を達成できないことがある

有給を消化したい、退職日を月末に合わせたい、離職票を早く出してほしい——これらは全部「交渉」です。伝達のみの業者に頼むと、会社が渋った瞬間に手詰まりになります。2万円払って目的が果たせないなら、それは節約ではなく損失です。

2. オプションで結局高くなる

基本料金を安く見せ、深夜・休日対応費、交渉サポート費、書類作成費などを積む料金設計があります。表示価格ではなく総額で比較しないと意味がありません。

3. 運営体制が脆弱な可能性がある

極端な低価格は、少人数・短期運営で回している場合があります。実行後に連絡が取れなくなるという報告は、こうした業者に集中する傾向があります(トラブル事例の記事で詳しく解説)。

総額の正しい確認方法

無料相談で、次の3つをそのまま聞いてください。回答が曖昧な業者はその時点で候補から外すのが安全です。

  1. 「最終的に支払う総額はいくらですか?」

    「一律◯円、追加料金はありません」と即答できるか。条件つきなら、その条件を具体的に確認します。

  2. 「有給消化の交渉は料金に含まれますか?」

    含まれる=労組型か弁護士型。「交渉はできません」=民間型。ここで運営元の実態がわかります。

  3. 「追加費用が発生するのはどんな場合ですか?」

    「一切ありません」か、発生条件が明確か。LINEのやり取りで残しておくと後の証拠になります。

💡 相談は何社してもタダ

退職代行の相談はほぼ全社が無料で、LINEなら匿名でも可能です。2〜3社に同じ質問をして、回答の明確さを比べるのが最も確実な見極め方です。

主要5社の料金比較

サービス運営元料金(税込)追加料金支払い
男の退職代行/わたしNEXT 労働組合が実施 18,800〜21,800円 なし 前払い(全額返金保証)
円満退職ユニオン 労働組合法人 22,000円(一律) なし 前払い
退職代行Jobs 民間+労組連携 27,000円
+労組費2,000円
交渉時に組合費 現金後払い可
弁護士法人ZEN 弁護士 27,500〜77,000円 請求は成功報酬20%程度 前払い
弁護士法人ZEN 弁護士 27,500〜77,000円 請求は成功報酬20%程度 前払い

※2026年8月執筆時点の各社公式サイト掲載情報。変更されることがあるため、申込前に必ず公式サイトでご確認ください。

価格だけ見れば男の退職代行/わたしNEXTの18,800円〜が最安で、全額返金保証つき。確実性を重視するなら労働組合法人が直接運営する円満退職ユニオンという選び方になります。各社の詳細はおすすめ5社比較をどうぞ。

お金がないときの選択肢(後払い・返金保証)

「辞めたいのに、辞めるお金がない」は本当によくある状況です。手段は3つあります。

2万円台は高いのか?費用対効果で考える

単体で見れば安くありません。ただ、比較対象を置くと見え方が変わります。

比較対象金額の目安
退職代行(労組型)24,000〜30,000円(1回のみ)
辞められず1ヶ月余分に在籍あなたの1ヶ月分の消耗(金額換算不能)
有給20日を捨てる日給1万円なら20万円相当
バックレて失業保険が1ヶ月遅れる基本手当の1ヶ月分(十数万円規模)

とくに有給消化の交渉ができるかどうかは、金額インパクトが代行費用を軽く上回ります。残有給が10日以上あるなら、交渉できる労組型を選ぶ時点で費用は回収できている計算です。

よくある質問

アルバイト・パートでも同じ料金ですか?
業者によります。雇用形態で料金を分ける業者(男の退職代行・わたしNEXTはアルバイト18,800円)と、円満退職ユニオンのように一律の業者があります。一律の場合、正社員には割安、アルバイトにはやや割高に感じられます。相談時に確認してください。
料金以外にかかる費用はありますか?
退職届や貸与物を送る郵送費(数百〜千円程度)が実費でかかります。内容証明郵便を使う場合は1,500円前後。それ以外は基本的に不要です。
労働組合の組合費は別途かかりますか?
組合費が料金に含まれる社(円満退職ユニオン・男の退職代行・わたしNEXT等)と、別途必要な社(Jobsは2,000円)があります。総額で比較してください。多くは退職完了後に脱退できます。
弁護士は高いだけの価値がありますか?
単に辞めるだけならオーバースペックです。ただし未払い残業代が数十万円ある場合、成功報酬20%を払っても手取りは大きくプラスになります。「請求したいお金があるか」で判断してください。

まとめ:適正価格は2万円台後半

📚 参考情報・データの出典
  • 各社公式サイトの料金表示(2026年8月確認)
  • 弁護士法72条、労働組合法6条、労働基準法39条(年次有給休暇)
  • 厚生労働省・ハローワークインターネットサービス公開資料