会社を辞めてフリーランスとして独立する人が最初につまずくのが、「失業保険はもらえるのか」という問題です。雇用保険の基本手当は、就職しようとする意思と能力がある「失業の状態」の人に払われるもので、厚生労働省の業務取扱要領では、自営などの非雇用の働き方に就くことだけを希望している人は、労働の意思がある人として扱えないとされています。開業の準備に専念している期間は、基本手当の対象にならないのが原則です。

一方で、雇用保険には独立する人のための仕組みも2つあります。ひとつは、待期期間が終わったあとに事業を開始した人も対象になる「再就職手当」。もうひとつは、2022年7月1日に始まった「事業を開始した人の受給期間の特例」で、事業をしている期間を最長3年まで受給期間に数えず、廃業したときに基本手当を受けられるようにする制度です。どちらを使うかは開業日をいつにするかでほぼ決まり、受け取れる額は数十万円単位で変わります。

この記事では、厚生労働省・都道府県労働局のリーフレットと業務取扱要領をもとに、退職後に開業するときの3つのルートを比べ、開業日ごとの受取額を試算しました。開業届や青色申告、健康保険・年金の期限もまとめています。

先に結論

独立が決まっているなら、現実的な選択肢は2つです。①ハローワークで求職の申込みをして、待期7日と給付制限(自己都合は原則1か月)が明けてから開業し、再就職手当を受け取るか、②退職後すぐに開業し、開業日の翌日から2か月以内に「受給期間の特例」を申請して、廃業したときの基本手当を最長3年残しておくかです。①は所定給付日数の3分の2以上を残して開業すれば支給残日数の70%がまとめて支給され、基本手当日額5,000円・所定90日なら約31.5万円が目安です。ただし、給付制限がある人は待期満了後1か月以内の開業は再就職手当の対象外で、事業で自立できるとハローワークに認められることも条件です。②は今は1円も入りませんが、事業がうまくいかなかったときの保険になります。同じ事業で再就職手当を受けると②の特例は使えないので、どちらか一方を選ぶことになります。個別の判断は管轄のハローワークで確認してください。

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開業日を決める前に、自分の基本手当日額と給付日数を出しておく

再就職手当も特例で残せる額も、基本手当日額と所定給付日数で決まります。退職日から手続きの期限を並べたいときは、逆算カレンダーも使えます。

開業準備中は失業保険をもらえないのが原則

雇用保険の基本手当(いわゆる失業保険)は、仕事を失った人なら誰でももらえるものではありません。ハローワークで求職の申込みをし、就職しようとする積極的な意思と、いつでも就職できる能力があるのに職業に就けない状態であることが条件です。

独立を考えている人にとって大事なのは、厚生労働省の「雇用保険に関する業務取扱要領」の次の2つの考え方です。

状態業務取扱要領での扱い基本手当
自営やフリーランスなど、雇われない働き方だけを希望している 労働の意思を有する者として扱うことはできない 対象外
求職活動と並行して、創業の準備・検討をしている 自営の準備に専念するものではなく、ハローワークの職業紹介に応じられる場合は、受給資格決定を行うことが可能 対象になりうる
開業した(事業を始めた) 事業を始めた時点で「失業の状態」ではなくなる 開業日以降は対象外(再就職手当か特例へ)

※ 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」の考え方を当サイトで要約。実際の判断は、準備の進み具合(事務所の契約、資金の調達、取引先との契約など)を踏まえて管轄のハローワークが個別に行います。

つまり、「独立すると決めていて、会社員に戻るつもりはない」状態で基本手当を受け続けるのは、制度の前提と合いません。求職活動の実績を形だけ作って受け取ると、不正受給と判断されるおそれがあります。不正受給は、受け取った額の返還に加えて、最大でその2倍の納付を命じられることがあります。本当に会社員に戻る選択肢も残して求職しているなら受給できる可能性がありますが、そうでなければ、次の章の再就職手当か特例のルートを選ぶのが筋です。

独立するときの3つのルート

退職後に開業する人が使える雇用保険のルートは、大きく次の3つです。

ルート開業日の目安受け取れるもの向いている人
①再就職手当ルート 待期7日と給付制限が明けたあと(給付制限がある人は待期満了後1か月を過ぎてから) 支給残日数×基本手当日額×60%または70%をまとめて 開業までに1か月ほど準備期間を取れる人。事業の見通しが立っている人
②受給期間の特例ルート 退職後すぐでもよい 今は受け取らない。廃業したら、残っている基本手当を受給できる(事業期間を最長3年まで受給期間に算入しない) すぐに事業を始めたい人。事業がうまくいくか分からず、保険を残したい人
③会社員に戻る道も残して求職するルート 基本手当を受けながら、就職か開業かを見極める 基本手当(求職活動と並行した準備に限る)。開業したら①へ切り替え 独立か転職か、まだ決めきれていない人

大事なのは、①と②は同じ事業について両方は使えないということです。受給期間の特例の要件に「当該事業について、就業手当または再就職手当の支給を受けていないこと」とあるためです。今のうちにまとまった額を受け取るか、廃業したときの保険として残すか、どちらかを選ぶことになります。③は、独立するかどうかをまだ決めていない人のルートで、転職活動と並行して開業準備を進め、最終的に開業を選んだら①に移る、という動き方です。

再就職手当を開業で受け取る条件

再就職手当は、基本手当の受給資格がある人が早く就職したときに、残りの一部をまとめて払う制度です。厚生労働省のリーフレットは支給要件の1つ目を「受給手続き後、7日間の待期期間満了後に就職、又は事業を開始したこと」としており、開業も対象です。開業で受け取るときに特に関係するのは、次の条件です。

条件開業で引っかかりやすいところ
待期期間(7日)が満了したあとに事業を開始求職の申込み前や待期中に開業すると対象外。開業届の日付は待期満了後にする
給付制限がある人は、待期満了後1か月を過ぎてからの開業リーフレットの注記で、自営の開始も待期期間満了後1か月の期間を経過してからが対象とされている。自己都合退職の人はここを外すと受け取れない
開業日の前日までの失業の認定を受け、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上3分の2以上なら70%、3分の1以上なら60%。3分の1を切ると支給されない
1年を超えて事業を安定して続けられ、自立できるとハローワークが認めること開業届の写し、取引先との契約書、事務所の賃貸借契約書など、事業の実態が分かる書類を求められることが多い
過去3年以内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていない前回の転職で受け取っていると対象外

※ 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「再就職手当のご案内」リーフレットの支給要件のうち、開業に関係するものを抜粋。提出書類の内容は管轄のハローワークによって異なります。

支給額は基本手当日額×支給残日数×70%(3分の2以上残した場合)または60%(3分の1以上残した場合)です。計算に使う基本手当日額には上限があり、2026年10月時点で離職時60歳未満は6,745円、60歳以上65歳未満は5,454円です。申請は、開業した日の翌日から1か月以内に行います。再就職手当の計算と70%の期限の逆算は、再就職手当はいくらもらえる?で詳しく解説しています。

⚠ 前の会社から仕事を受ける独立は要注意
  • 再就職手当には「離職した前の事業主に再び就職したものでないこと」「前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがない事業主に就職したこと」という要件があります。前の会社の業務を業務委託で受ける独立は、支給の可否が個別に判断されやすいので、申請前にハローワークで確認してください
  • 前の会社と同じ業界で独立する場合は、入社時や退職時に署名した誓約書の競業避止の条項も確認しておきます。有効かどうかの判断基準は退職後の競業避止義務は有効?で整理しています

最長3年の「受給期間の特例」

基本手当を受けられる期間(受給期間)は、原則として離職日の翌日から1年です。独立して1年以上たってから廃業すると、本来はもう基本手当を受けられません。そこで2022年7月1日から、事業を開始した人などが事業を行っている期間を、最長3年間受給期間に算入しない特例が設けられました。厚生労働省のリーフレットの例では、離職日の翌日に起業して2年後に廃業した人は、廃業した日の翌日から1年間、基本手当を受けられます。

項目内容(厚生労働省のリーフレットより)
対象者離職日の翌日以後に、事業を開始した人・事業に専念し始めた人・事業の準備に専念し始めた人
申請期限事業を開始した日(専念し始めた日)の翌日から2か月以内
事業の要件事業の実施期間が30日以上/開始日などから30日を経過する日が受給期間の末日以前/その事業で就業手当・再就職手当を受けていない/事業により自立できないと認められるものではない/離職日の翌日以後に開始した事業(離職前に始めて離職後に専念する場合を含む)
提出書類受給期間延長等申請書、離職票-2(受給資格決定前)または受給資格者証(決定後)、開業届の写し・登記事項証明書・事業許可証など事業の開始を確認できる書類
提出方法と提出先本人の来所または郵送(代理人は委任状が必要)。住所を管轄するハローワーク

※ 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「離職後に事業を開始等した方は雇用保険受給期間の特例を申請できます」(LL040609保01)より。就業手当または再就職手当を申請して不支給になった場合は、2か月を過ぎていても、その申請日を特例の申請日として扱える例外があります。

この特例は、開業してからでも、離職票を持ってハローワークに行けば申請できる点がポイントです。求職の申込みをしていない段階でも、離職票-2を添えて申請します。一方で、受給期間が残り30日未満になってから開業した場合は対象外です。退職してしばらく様子を見てから開業する人は、離職日から11か月を過ぎないうちに動く必要があります。

✅ 特例を申請するなら押さえておくこと
  • 開業届の写しを手元に残す:税務署に出した開業届の控え(e-Taxなら受付結果の画面)を、特例の申請に使います
  • カレンダーに「開業日+2か月」を入れる:期限を過ぎると原則として申請できません
  • 廃業・休業したらすぐハローワークへ:特例を受けたあとに事業をやめたら、速やかに届け出て基本手当の手続きに移ります
  • 離職票は捨てずに保管する:廃業後に基本手当を受けるときにも使います。届かない場合の対処は離職票が届かないときを参照してください

病気やけが、妊娠・出産などですぐに働けないときに受給期間を延ばす通常の延長制度とは別のものです。通常の延長については失業保険の受給期間延長で解説しています。

開業日ごとの受取額を試算する

開業日をいつにするかで、受け取れる額がどう変わるかを試算しました。条件は、自己都合退職・基本手当日額5,000円・所定給付日数90日(雇用保険の加入期間10年未満・65歳未満の自己都合で一般的な日数)です。給付制限は待期満了の翌日から1か月とし、給付制限が明けた日を「支給1日目」と数えます。

開業日それまでに受けた基本手当再就職手当合計
待期中、または給付制限中(待期満了後1か月以内)0円対象外0円(特例ルートなら廃業時に最大45万円分を残せる)
給付制限が明けた直後(残日数90日)0円315,000円
5,000円×90日×70%
315,000円
支給31日目(残日数60日=3分の2)150,000円210,000円
5,000円×60日×70%
360,000円
支給32日目(残日数59日)155,000円177,000円
5,000円×59日×60%
332,000円
支給61日目(残日数30日=3分の1)300,000円90,000円
5,000円×30日×60%
390,000円
支給62日目(残日数29日)305,000円0円305,000円
基本手当を受け切ってから450,000円0円450,000円

※ 当サイトの試算。失業の認定を毎回受け、開業日の前日までの分が支給される前提で、日単位で単純化しています。実際の残日数は認定日の日程で前後します。基本手当を受けている期間は、求職活動の実績が必要で、開業準備に専念していないことが前提です。

表から分かることは2つあります。ひとつは、残日数が3分の2・3分の1の境目を1日でも越えると、合計が数万円単位で下がる「段差」があること。開業日を決めるときは、自分の残日数が境目のどちら側にあるかを受給資格者証で確認してから届出の日付を決めます。もうひとつは、開業を遅らせるほど合計は増える傾向があることです。ただし、その期間は会社員に戻る選択肢を残して求職活動をしている必要があり、事業の売上も立ちません。独立を決めていて準備も進んでいるなら、給付制限明けすぐの開業で約31.5万円を受け取り、早く事業を軌道に乗せるほうが、制度の趣旨にも収入の面でも素直です。

受給期間の特例ルート(すぐ開業)を選ぶと、この例では今は0円ですが、3年以内に廃業すれば最大45万円分(90日分)の基本手当を受けられる権利が残ります。事業の見通しに自信が持てないなら、「今の31.5万円」と「もしものときの45万円」を比べて選ぶことになります。

退職から開業後までの手続きの順番

再就職手当ルートを選ぶ場合の、一般的な順番です。特例ルートの場合は、3の求職申込みの代わりに、開業後2か月以内に特例を申請します。

  1. 在職中:審査が必要なものを済ませ、誓約書を確認する

    クレジットカードや賃貸契約など、勤務先と収入が審査される手続きは在職中のほうが通りやすい傾向があります(退職後のクレジットカード・ローン審査)。競業避止の誓約書の範囲もこの段階で確認します。

  2. 退職後14〜20日以内:健康保険と年金を切り替える

    健康保険は、任意継続(資格喪失日から20日以内)か国民健康保険(14日以内)を選びます。どちらが安いかは任意継続と国保の比較で計算できます。年金は国民年金の第1号被保険者への切り替えが必要です(退職後の年金の切り替え)。

  3. 離職票が届いたら:ハローワークで求職の申込み

    受給資格の決定を受け、7日間の待期に入ります。待期中は開業も仕事もしません。独立を考えていることは、窓口で正直に伝えて相談しておくと、後の再就職手当の申請がスムーズです。

  4. 待期満了後1か月を過ぎてから:開業し、開業届を出す

    自己都合で給付制限がある人は、待期満了後1か月を過ぎてから開業します。税務署への開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は、事業を開始した日から1か月以内が期限です。青色申告をするなら、青色申告承認申請書を開業日から2か月以内に出します。

  5. 開業日の翌日から1か月以内:再就職手当を申請する

    開業日の前日までの失業の認定を受けたうえで、再就職手当支給申請書に開業届の写しや契約書など、事業の実態を示す書類を添えて提出します。

  6. 翌年2月16日〜3月15日:確定申告

    退職した年は、給与所得(会社の源泉徴収票)と事業所得をまとめて申告します。再就職手当と基本手当は非課税なので、収入に含めません(退職後の確定申告)。

退職後の住民税は、前年の所得をもとに翌年度まで請求が続きます。独立直後は売上が安定しないことが多いので、納付書が届く時期を退職後の住民税で確認して、資金繰りに入れておくと安心です。

独立前に済ませておきたいこと

✅ 退職届を出す前のチェックリスト
  • 生活費の何か月分を手元に置くか決める:再就職手当は申請から入金まで1か月半〜2か月程度かかる例があり、売上の入金も請求から1〜2か月後が一般的です。目安の立て方は退職前の貯金はいくら必要かで解説しています
  • 離職理由を確認する:会社都合と自己都合では給付制限と所定給付日数が変わり、再就職手当の額にも響きます(会社都合と自己都合の違い)
  • 最初の取引先と契約条件を書面で残す:2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法で、発注する事業者には取引条件の明示が求められています。再就職手当の申請で事業の実態を示す資料にもなります
  • 前の会社の情報やデータを持ち出さない:顧客リストや業務データの持ち出しは、誓約書の有無と関係なく問題になることがあります
🧭 開業届を出したら、入金の遅れと仕事中の事故に備えておく

独立直後は、売上が入るまでの1〜2か月をどうしのぐかと、納品物や作業中の事故で賠償を求められたときの備えが課題になります。FREENANCE(フリー株式会社)は、フリーランス・個人事業主向けの無料の口座で、請求書を早めに現金化する「即日払い」と、業務中の賠償責任を補償する「あんしん補償」を使えます。

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独立するか、条件の良い会社に転職するかで迷っている段階なら、先に両方の選択肢の相場を知っておくと判断しやすくなります。会社員として受けられる条件を確かめたうえで独立を選べば、開業後に迷いが出にくくなります。

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よくある質問

開業届を出すと失業保険はもらえなくなりますか?
事業を開始すると「失業の状態」ではなくなるため、開業日以降の基本手当は受けられません。また、開業前でも、独立だけを希望して準備に専念している期間は、厚生労働省の業務取扱要領で労働の意思がある人として扱えないとされ、基本手当の対象外が原則です。求職活動と並行して準備をしていて、ハローワークの職業紹介に応じられる場合は受給資格の決定を受けられる可能性があります。開業後は、条件を満たせば再就職手当か、受給期間の特例を使えます。
退職してすぐに開業した場合、再就職手当はもらえますか?
再就職手当は、ハローワークで受給資格の決定を受け、7日間の待期期間が満了したあとに事業を開始した場合が対象です。求職の申込み前や待期中に開業した場合は対象外になります。自己都合退職などで給付制限がある人は、待期満了後1か月を過ぎてから開業する必要があります。すぐに開業したい人は、代わりに受給期間の特例を申請して、廃業したときの基本手当を残しておく方法があります。
受給期間の特例はいつまでに申請すればいいですか?
事業を開始した日、事業に専念し始めた日、または事業の準備に専念し始めた日の翌日から2か月以内に、住所を管轄するハローワークへ申請します。受給期間延長等申請書に、離職票-2(受給資格決定前)または受給資格者証(決定後)と、開業届の写しなど事業の開始を確認できる書類を添えます。来所のほか郵送でも提出できます。受給期間の残りが30日未満になってから開業した場合は対象外です。
再就職手当と受給期間の特例は両方使えますか?
同じ事業については使えません。受給期間の特例の要件に、その事業について就業手当または再就職手当の支給を受けていないことが含まれているためです。開業時にまとまった額を受け取るなら再就職手当、廃業したときの基本手当を残したいなら特例、とどちらかを選びます。再就職手当を申請して不支給になった場合は、2か月を過ぎていても、その申請日を特例の申請日として扱える例外があります。
開業届と青色申告承認申請書の期限はいつですか?
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)は事業を開始した日から1か月以内に、納税地の税務署へ提出します。青色申告承認申請書は、原則として開業日から2か月以内です(1月1日から1月15日までに開業した場合はその年の3月15日まで)。開業届の控えは、再就職手当や受給期間の特例の申請でも使うので保管しておきます。
前の会社から業務委託で仕事を受ける場合も再就職手当の対象ですか?
再就職手当には、離職した前の事業主や、前の事業主と資本・資金・人事・取引面で密接な関わり合いがある事業主への就職を除く要件があります。前の会社の業務を受託する形の独立は、事業の自立性も含めて個別に判断されるため、申請前に管轄のハローワークで確認してください。

まとめ:開業日を決めてから退職届を出す

独立の準備は、事業の中身に意識が向きがちです。ただ、開業日を1か月ずらすだけで受け取れる額が30万円以上変わることもあります。退職日と開業日、求職の申込みの日を先に並べてから、退職届を出す日を決めてください。迷う点は、離職票を持って管轄のハローワークで相談するのが確実です。

📚 参考情報・データの出典
  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「離職後に事業を開始等した方は雇用保険受給期間の特例を申請できます」(LL040609保01、2026年10月確認)— 特例の対象者・5つの要件・申請期限(翌日から2か月以内)・提出書類・適用例・30日未満の場合の扱い
  • 厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「再就職手当のご案内」リーフレット — 支給要件(待期満了後の就職または事業開始、給付制限がある場合の1か月の扱い、残日数3分の1以上、前の事業主との関係など)、支給率70%/60%、基本手当日額の上限、申請期限
  • 厚生労働省「雇用保険に関する業務取扱要領」— 自営等の非雇用労働のみを希望する者の扱い、創業の準備・検討と並行して求職する者の受給資格決定
  • 国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」「所得税の青色申告承認申請手続」(2026年10月確認)— 開業届の提出期限(1か月以内)、青色申告承認申請の期限(2か月以内)
  • 厚生労働省「フリーランス・事業者間取引適正化等法」(2024年11月1日施行)— 取引条件の明示

※ 本記事は2026年10月時点の公開情報にもとづく一般的な解説です。雇用保険の給付の可否は個別の事情によってハローワークが判断します。必ず管轄のハローワークでご確認ください。税金の扱いは税務署または税理士にご相談ください。